不整脈とは?

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不整脈Q&A〜こんな症状があったら不整脈〜
企画:日本循環器学会教育研修委員会
監修:奥村 謙 弘前大学医学部循環器・呼吸器・腎臓内科 教授
発行:日本心臓財団
不整脈Q&A.pdf
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不整脈を理解する

どんな不整脈が危険ですか?
 不整脈は、脈が異常に速くなる「頻脈」と遅くなる「徐脈」に大別されます。中でも、特に危険なのは、頻脈性の不整脈である「心室細動」で、心室が細かく震え、心臓が機能を失い、放置すると死に至る不整脈です。また、同じく心室で起こる「心室頻拍」は、脈が1分間に120回以上になり、心室細動に移行して突然死することもあります。 一方、心房で起こる「心房細動」は、脳塞栓の原因ともなる不整脈です。
  脈が飛んだり抜けたりする「期外収縮」は、放置しておいて問題ないものが大半ですが、連続して起こる場合は血圧低下やめまいなどが起こるため、注意が必要です。
  また、脈拍が異常に遅くなる徐脈でも心停止を招くことがあります。 

どんな自覚症状がありますか?
 不整脈の種類によって自覚症状も異なります。
  期外収縮では、胸がドキンとすることがありますが、多くの場合、自覚症状はありません。頻脈では、動悸やめまいがすることがあります。また、徐脈では、運動機能が低下して、息切れしたり疲れやすくなったりします。いずれも、意識を失ったりするような場合は大変危険ですので、すぐに受診してください。

不整脈になりやすいのはどんなひと?
  不整脈は健康な人でも起こりますが、高齢者や高血圧、肥満などの心臓病の危険因子を持っている人はなりやすいといわれています。
  狭心症や心筋梗塞、弁膜症、心筋症など、もともと心臓に基礎疾患を持っている人は、特に危険な不整脈が起こりやすいといわれています。

どのように治療するのですか?
 不整脈の治療に用いられる抗不整脈薬にはさまざまな種類があり、原因や症状によって使い分けられます。長期間服用する場合もありますので、医師の指示を守って正しく服用し、定期的に副作用のチェックを受けましょう。合併症を予防するために、ほかのお薬を服用することもあります。
  薬を用いない方法として、外科治療のほか、頻脈の治療では、カテーテルアブレーション(心臓に細い管を挿入し、異常部位を焼き切る治療)や、突然死を防ぐ目的でICD(植込み型除細動器)を埋め込むケースもあります。また、徐脈の治療としては、心臓ペースメーカを埋め込む方法があります。

日常生活で気をつけることは?
 アルコールやたばこ、コーヒーなどに含まれるカフェインのほか、ストレスや過労、睡眠不足などの不規則な生活習慣は、不整脈の誘因になります。
  生活習慣を改善するとともに、不整脈と診断された人、もともと心臓病のある人は、自覚症状がなくても定期的に心電図検査を受けましょう。


心房細動とは?

心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、実は電気で動いています。その電気信号を身体の外から記録したもの が心電図です。正常の脈(洞調律といいます)〈図1上段〉はペースメーカの役割をなす洞房結節から一定のリズムで電気信号が繰り出 され、それが心房を伝わり、中継地点の房室結節を通って心室に伝わっていきます。従って電気の流れは上(心房)から下(心室)への 一方通行であり、心電図でみると必ず心房内を電気が伝わるP波という小さな波形が記録されています。一方、心房細動とは心房のなか で電気の流れが完全に乱れている状態です〈図1下段〉。学校に例えるなら先生(=ペースメーカ)の言うことを完全に無視して子供た ち(=電気興奮)が勝手に教室(=心房)内で走り回っている状態を連想してください。規律性がまったくないので、心電図をみると上 段のようなP波がなく、全体を通してさざなみが立ったような細かな細動波(F波)が特徴です。


心房細動の頻度

心房細動による不整脈は最もよくある不整脈で、年をとればとるほど起こりやすくなります。特に60歳を境にその頻度は急激に高 まり、80歳以上では約10人に1 人は心房細動があると言われています

〈図2〉

心房細動は、男性が女性に比べ約1.5倍発症しやすいと言われています。日本循環器学会が12都道府県の40歳以上、約63万人の心 電図を調べたところ、全体の0.9%で心房細動が見つかりました。女性の0.43%に比べ、男性は1.35%と、圧倒的に男性に多く、さらに その頻度は年齢とともに増え、80歳以上では女性2.2%、男性4.4%でした。

日本の心房細動の有病率は欧米に比べると低いものの、今後高齢化が進むと、患者数は2010年の約80万人から、20年後の2030年 には100万人を突破すると予想されています。だから、心房細動はまれな疾患ではありません。年をとると誰にでも起こる危険性があるの です。心房細動患者さんが増えるにしたがい、心原性脳塞栓症を発症する患者さんも増加することが予想されます。


心房細動と脳梗塞との関係

心房細動による不整脈は最もよくある不整脈で、年をとればとるほど起こりやすくなります。特に60歳を境にその頻度は急激に高 まり、80歳以上では約10人に1 人は心房細動があると言われています

〈図2〉

心房細動は、男性が女性に比べ約1.5倍発症しやすいと言われています。日本循環器学会が12都道府県の40歳以上、約63万人の心 電図を調べたところ、全体の0.9%で心房細動が見つかりました。女性の0.43%に比べ、男性は1.35%と、圧倒的に男性に多く、さらに その頻度は年齢とともに増え、80歳以上では女性2.2%、男性4.4%でした。

日本の心房細動の有病率は欧米に比べると低いものの、今後高齢化が進むと、患者数は2010年の約80万人から、20年後の2030年 には100万人を突破すると予想されています。だから、心房細動はまれな疾患ではありません。年をとると誰にでも起こる危険性があるの です。心房細動患者さんが増えるにしたがい、心原性脳塞栓症を発症する患者さんも増加することが予想されます。


カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)は、1980年代初めにアメリカで治療が開始され、対象となる不整脈のしくみ(メカニズム)が解明されたこと、カテーテル(焼灼用の管)の進歩により、現在は日本でも急速に普及しました。

治療は局所麻酔下でカテーテルという直径2mm位の管を心臓内に挿入して、不整脈のもととなる異常な部分に高周波電流を流し焼灼を行います。外科的な手術に比べて患者さまの体への負担が少ない治療です。

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)は、1980年代初めにアメリカで治療が開始され、対象となる不整脈のしくみ(メカニズム)が解明されたこと、カテーテル(焼灼用の管)の進歩により、現在は日本でも急速に普及しました。

治療は局所麻酔下でカテーテルという直径2mm位の管を心臓内に挿入して、不整脈のもととなる異常な部分に高周波電流を流し焼灼を行います。外科的な手術に比べて患者さまの体への負担が少ない治療です。


カテーテルアブレーションによる心房細動の治療とは

不整脈薬を中心とする薬を用いない心房細動の治療として最近,カテーテルを用いて心房細動が生じないように心房筋に熱を与えて焼灼(しょうしゃく)してしまおうという治療が行われるようになってきました(カテーテルアブレーション)。

心房細動のメカニズムは現在でも十分に解明されているとはいえませんが、最近になって、肺静脈付近から異常な命令が頻回に出ることによって心房細動が生じていることが多いことが分かってきました。カテーテルアブレーションにより、肺静脈の周囲を焼灼して(肺静脈隔離)、心房細動を根治できる場合があります。当科では症状が強く、薬物によるコントロールが困難な患者様に対して、この治療法を行っております。当院では、3次元CTと3次元マッピング装置(CARTO)を組み合わせた方法で、心房細動に対するカテーテルアブレーション治療を行っております。

施設や方法によって差はありますが,発作性心房細動であれば1回の治療で70~80%,心房細動が再発してしまっても2回目までの治療を行うことで80~90%近い成功率で行えるようになりつつあります。また,慢性心房細動であっても全例ではありませんがカテーテルアブレーションが有効な場合がありますアブレーション前日に入院し、採血、レントゲン、心電図、および経食道心エコー(胃カメラの様な心臓超音波装置にて心臓の中に血栓ができていないことをチェックします。
カテーテルアブレーションは静脈麻酔(点滴による麻酔)を使用して、眠っていただいている間に治療を行っています。
足の付け根から、右の図のように、心臓にカテーテルを挿入して、心房細動の原因となる部位を焼くことで治療します。約3時間程度で終了します。
アブレーション後、すぐに目が覚め、その後4時間すると歩行も可能になるなど患者さんへの負担も軽い治療です。

【実録】カテーテル手術

Jimdo